Good Life With

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サプールが教えてくれたこと

録画したままずっと放置していたNHKのサプールの特集を見ました。サプールはポールスミスのコレクションの元ネタにもなった、アフリカ、コンゴのお洒落な人々です。

 

何かでこの本の紹介を見たことがあったのですが、地元の不良のファッションが一過性の話題になったぐらいのことだと思っていました。でも全く違いました。

Gentlemen of Bacongo

Gentlemen of Bacongo

 

 コンゴの平均月収が2万円。サプールとよばれる男性は収入の4割近くを洋服に費やします。これはダントツの世界一で、2位のロシアが年収の9%ぐらいとのことです。

彼らは普段、電気工やタクシー運転手など普通の仕事に就いています。お金持ちの家に生まれたわけでなく洋服を買うために職を見つけて働いています。10年で数百万を洋服に費やす人もいました。

週末になると一流ブランドのスーツを独自のセンスや色使いで着こなし、ストリートを洒落たステップで練り歩きます。何をするにも一挙一動足、エレガントであることを粋として格好をつけまくります。

1960年までフランスの植民地だったコンゴは、フランス人の清潔でエレガントな服の着こなしに影響を受けて始まったカルチャーでした。90年代後半の内戦を経ても途絶えず60歳近いサプールも出演していました。戦争を経験したコンゴの人々にとってサプールは愛と平和の象徴となりました。

サプールが街を歩けばスターとして人々の賞賛を受けます。弟子を持つサプールもいました。洋服の合わせ方、色のまとめ方などの着こなしはもとより、姿勢、視線などの身のこなし、そして心構えまでサプールとしての生き方を教えていました。そして師匠は平均月収の2倍にあたる4万円のスーツをプレゼントをし各地のサプールが集まるサロン的な場所で一番弟子をデビューさせます。

 

心技体。日本の武道や華道、茶道に通じる文化、生き方の重さを教えてくれました。

サプールはコンゴの重要なカルチャーであり街の良識であり、国の道徳心たる存在でした。

 

形はどうあれ日本人として粋に生きたいと思いました。二人の子供にかっこよく正しい生き方を見せていきたいと思います。